レイヤ2 ブリッジ
レイヤ2:ネットワーキングデバイス
レイヤ2のネットワーキングデバイスはブリッジとスイッチ。
ブリッジはハブよりもインテリジェントなネットワーキングデバイスである。
ハブのようにきた信号をそのまま流すのではなく、何かしらの制御を行う賢いデバイスという意味。
■ソースルートとトランスペアレント
ブリッジ=橋
つまり、2つのLANの架け橋となる。
LANとLANを繋ぐネットワーキングデバイス。
<なぜハブではだめか?>
ハブは来た信号をそのまま流してしまう。
つまり、ハブで繋いでしまったら、ハブのこっち側と向こう側に違いはない。1つにLANとなる。
衝突ドメインのようなネットワークの区切りをセグメントというが、2つのセグメントを繋げるのがブリッジの役割。
ブリッジには大きく分けて4種類ある。これらは繋げるセグメントの違いで判断する。
▼ソースルート・ブリッジ
IEEE802.5(トークンリング)同士を繋げるブリッジ。
かなり特殊な制御を行う。
ソースルート・ブリッジは、他のリング宛のパケットを受け取ると、
全ルート探索パケットというのを使って、宛先までのすべてのルートを探し出す。
それをルーティング情報として表を持つ。
その表にしたがい、宛先までパケットを中継していく。
例えば、上の図のAからBまでパケットを運ぶ場合、下の3つのリングを経由していくより、上の1つのリングを経由した方が速い。
なので、パケットを受け取ったブリッジ1は、ブリッジ2宛にパケットを送り、上側のルートを通ってBがいるリングまでデータを送る。
ブリッジ3が先にパケットを受け取っても、ブリッジ2経由の方が速いのがわかっているので、ブリッジ4には送らない。
▼トランスペアレント・ブリッジ
同じアクセス制御方式のセグメントを繋ぐ。
例えばイーサネットとイーサネット、FDDIとFDDIなど。
逆に異なる方式を繋げるのが、変換ブリッジという。
▼エンキャプスレーション・ブリッジ
これは2つの同じ制御方式のセグメントを、間にWANなどを通して中継するためのブリッジ。
■MACアドレス フィルタリング
ブリッジは、受け取ったフレームを解析して、それをもとに制御する。
ようするに、宛先MACアドレスを読み取る。
そして宛先が受けとった側にあった場合、他へは流さない。
内部の通信は外へは出さないようにしている。
ブリッジを通過できるかどうか、MACアドレスで判断する。
宛先が同じセグメントの場合は通過できない。
このような、フレームを通過させる、させないという行動をすることをフィルタリングという。
※濾過のようなもの
<ブリッジは、どうやって宛先が向こう側にいると判断するのか?>
ブリッジは、ポート毎にアドレステーブルを持つ。
つまり、そのポートと接続しているデバイスを覚える。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%257eaji/3min/17.html
このように、通って行ったフレームから覚える。
そして、フレームを受信したポートのアドレステーブルに宛先があれば、そのフレームの宛先は内側にあるということ。
ポイントとして、ブリッジはどのポートに宛先があるかまでは知らないというところ。
止めるか、通すかの二択しか行わない。
受信したポートが知らない宛先アドレスは、他ポートから送信する。
▼ブリッジの利点
ブリッジでは、セグメント内の通信が外へ出ていかない、裏を返せば他のセグメント宛のデータがあまり入り込まなくなる。
つまり、ネットワーク全体のトラフィックが減る。
それは衝突の可能性が減るということ。
さらに、衝突の際発生するJAM信号や衝突で壊れたデータもブリッジで止められる。
ということは...
隣のセグメントの衝突を気にしなくて済む。
つまり衝突の影響範囲がブリッジで区切られる。
⇒衝突ドメインが区切られるということ!
衝突ドメインを区切ることができるということは、ブリッジを使うとセグメント内の通信効率を上げることができる。
他からデータが入り込みにくい、隣の衝突の影響を受けないということ。
■ブリッジの欠点と限界
ブリッジも利点ばかりではない。
それは、ブリッジがフレームを読み取るということからきている。
読み取る時間が必要になるということ。
受けた信号をそのまま流すハブに比べ、10%~30%ぐらい遅くなる。
つまりブリッジはネットワーク全体の遅延を発生させる。
⇒セグメント内容通信効率を上げるけど、全体としてみると遅くなる
しかし、これは衝突が多発するよりは圧倒的にまし!
⇒衝突は完全に通信ができなくなる
また、ブリッジはセグメント内側向けのフレームは止める。
しかし、現在のTCP/IPやWindowsのネットワークでは、すべての機器宛の通信が意外と多い。
⇒ブロードキャスト
ブリッジではブロードキャストを止めることができない。
セグメント内側向けしか止められないから、内側と外側双方向宛のブロードキャストは止められない。
<今日のポイント>
・ブリッジはセグメントを繋げる橋
・ソースルート、トランスペアレント、変換、エンキャプスレーションの4種類がある
・MACアドレスフィルタリングを行う
└宛先が同一セグメントの場合、他セグメントへそのデータを流さない
└通過したフレームのMACアドレスを読みとり、アドレステーブルを作成する
・ブリッジは衝突ドメインを分割することにより、利用効率を上昇させる
・フレーム読み取りの時間分だけ遅延が発生する
・ブロードキャストを止めることができない
復習②
復習
■信号に起きる障害
電気信号で起きる問題
⇒減衰、ノイズ、衝突
減衰
⇒ケーブルに使われる銅線には抵抗というものが存在する。これは絶対に避けられない。
その抵抗のせいで信号が弱まってしまうことが減衰
光ファイバは光信号のため、電気抵抗とは無縁
しかし、長時間ながれていると光信号が拡散する。
ノイズ
⇒電気信号の形が崩れてしまうことを指す
崩れてしまうと元の形が分からなくなってしまい、正確に伝わらなくなる
衝突
⇒ケーブルの上を2つのデータが同時に流れた場合に発生する
信号がぶつかると、電圧が変になってしまい、元の信号と違った形になってしまう
■ネットワーキングメディアの規格団体
3種類の団体が規格している、3種類のケーブルとは?
⇒同軸ケーブル、ツイストペアケーブル、光ファイバケーブル
同軸ケーブル
⇒同軸ケーブルは干渉に強い、更に干渉の影響が少ないため、長距離まで信号が届く
しかし、ツイストケーブルより堅く、高値である
ツイストペアケーブル
⇒8本を2本ずつ4つの組にして、交互により合わせて作っている
より合わせることで、銅線から発生する磁場が互いに打ち消しあって消滅する。
これをキャンセレーションという
非シールドツイストペア(UTP)
シールとツイストペア(STP)
光ファイバケーブル
⇒光信号のため、一切の電磁的な干渉を受けない、だが高価
■ネットワーキングメディアの規格
10BASE-T
100BASE-TX
1000BASE-T
⇒UTP
100BASE-FX
1000BASE-SX
1000BASE-LX
⇒光ファイバ
頭の10~1000の数字は、データ転送量を示す。単位はM(メガ)bps
10なら10Mbpsてこと
「BASE」はデータ伝送方式。ベースバンド伝送。
信号を直接多重化しないで送る方式。
最後の2や5の数字は最長距離を表している。
2は185m、5は500m
T、FXなどはケーブルのタイプを表している。
Tが付けばツイストペア、他のは光ファイバを表している。
復習①
復習
ネットワークってなんですか?
⇒何かと何かが、網目状に繋がっていて何かを運ぶこと
原始ネットワークはスニーカーネットと呼ばれるものだった
⇒自分の足を使ってデータを運ぶこと
LAN
⇒狭い範囲のネットワーク
WAN
⇒広い範囲のネットワーク
ネットワークでいう高速かつ高品質とは?
⇒大量のデータをエラーなく送信すること
プロトコル
⇒通信で使用するルール(通信規制)
└一番有名なプロトコルは「TCP/IP」
帯域幅
⇒データの転送速度
└1秒間に何ビット送ることができるか
└帯域幅は道路の幅だと考えるとイメージしやすい
⇒幅が広い道路は、一定時間あたりで多くの車が通る
ネットワークモデルの考え方
⇒他ベンダと相互通信を可能にするためにこのモデルを使う
└例えば、画家が何人か集まって、女性の絵を描いたとする。
この場合、女性のことを「モデル」という。
画家は同じ絵を描くだろうか??
同じものを見て、同じものを表現したはずなのに違う。画家の特色がでる。
でも、同じモデルの絵を描いている。
⇒ベンダ達は、「相互通信可能なネットワーク」というモデルを題材に、「製品」という「絵」を描く、ということ。
異なるベンダとの相互通信を行うための、最低限の部分は同じにしてある。
ISO(国際標準化機関)
⇒ISOが作ったモデルを「OSI参照モデル」という
OSI参照モデル・7つの層
・アプリケーション層
・プレゼンテーション層
・セッション層
・トランスポート層
・ネットワーク層
・データリンク層
・物理層
7つのレイヤの機能
・アプリケーション層
⇒ネットワークというサービスを提供する
ネットワークの入口に位置し、ネットワークが可能かどうかを判断する
・プレゼンテーション層
⇒データ形式を決定する
使う言語を決定する
・セッション層
⇒セッションを管理する
データを送る前に、相手がデータを返してきた
行き違いが起きてしまって、やり取りが成立しない
データの流れを管理するのがセッション層
・トランスポート層
⇒信頼性の高い通信サービスを保証する
・ネットワーク層
⇒データの伝送、運ぶルートの決定、宛先の決定などを行う
・データリンク層
⇒データの伝送制御を行う
ケーブルで直に接続されている機器とのデータのやり取りの制御
・物理層
⇒電気、機械的なルールを決めた層
カプセル化
⇒送りたいもの(データ)に送るために必要なものを色々付けて、実際に送ること
データにデータ制御をくっつけてデータグラムに仕上げること
■レイヤ別ネットワーキングデバイス
物理層
⇒リピータとハブ
これらはケーブルを流れる電気信号を、増幅したり分配したりする
データリンク層
⇒ブリッジとスイッチ
データを通す、通さないの制御を行う
ネットワーク層
⇒ルータ
宛先までのルートを決定する
電気信号の種類
⇒アナログとデジタル
モデム
⇒コンピュータのデジタル回線を電話用のアナログ回線に変換してくれる装置
IEEE802.5とFDDI
IEEE802.5やFDDIは信号の流れが制御されている。
そして各デバイスを順序よく回っていく。
(※イーサネットは信号が全体に伝わっていくブロードキャスト)
この方式をトークンパッシングアクセス制御という。
IEEE802.5とFDDIはこのアクセス制御を使う。
■トークンパッシング
トークンという制御フレームを使った方式。
トークンと呼ばれるものが来た時だけ送信する権利がある。という方式。
リングの中を流れるトークンは基本的に1つだけ。
トークンという配達人にデータを運んでもらっているイメージ。
トークンが、各家を御用聞きに回っている。
▼流れ
運びたいものがある人は、トークンにデータを渡す
↓
受け取ったトークンは、いつもの配達ルートを守って宛先にデータを届ける。
↓
そこで受領印を押してもらう。そして配達ルートを一周して、送信元に戻る。
↓
戻ったら、身軽になったのでまた御用聞きに回る。
この場合、トークンは一人しかいないから、同時にものを運べるのは1件だけということになる。
要するに、衝突が発生しない!
更に、相手が受信したかどうかが確実にわかる。
(受領印を押してもらったトークンが帰ってくるから)
なので、非常に堅固なアクセス制御方式だといえる。
工場のファクトリーオートメーションや銀行などのネットワークで使用される。
安全は安全だが、完ぺきではない。
例えば、送信元がビジートークンを送り出したあと、故障したらどうなる?
ビジートークンは宛先に届いて、受領印を押してもらって、送信元に帰ってくる。
しかし、帰ってきても故障して送信元がないから、フリートークンに戻らない。
そうすると永久に誰も送信できなくなっていしまう。
上記のようなことがないように、「監視するノード」を置いておく。
このトークンパッシングを使うIEEE802.5.
IEEE802.3がもともとXerox、intel、DECの3社が作り出したDIY-Ethernetを標準化したように、実はもともとの規格が存在する。
トークンリングという規格で、IBMが1970年代に開発したものだ。
イーサネットとIEEE802.3がほとんど変わらないように、トークンリングとIEEE802.5もほとんど変わらない。
トークンリング/IEEE802.5は、LANの仕様として、先ほど話したトークンパッシング、同軸もしくはツイストペアケーブル、リング・スター型トポロジを使う。
<スター型トポロジは、中央にハブがあり、ハブはきた信号をすべてに流してしまうがどうやってトークンを循環させるのか?>
ハブはハブだが、トークンリング用の特殊なMSAU(マルチステーションアクセスユニット)というハブをつかう。
半透明の青い部分がMSAU。
理論的にはリング型で繋げている形になる。
<<トークンリングのトークンパッシングの方が衝突がなくて優れていると思うがなぜ、イーサネットの方が主流なのか?>>
理由は、CSMA/CDの方が制御が簡単で、機器が安いから。
「使っていなかったら送る。ダメだったらもう一回」という制御方式もシンプルで簡単。
また、トークンリングのトークンパッシングは、監視役が必要で、データ転送速度も4Mbpsもしくは16Mbpsと遅いことも関係している。
■FDDI
もう一つのトークン・パッシング方式のLAN仕様が、ファイバ分配データ・インターフェイス、FDDI。
これは、二重リング型トポロジ、光ファイバを使うのが特徴。
IEEE802.5と異なるところは、光ファイバなので、データ通信速度が速いこと。
100Mbpsで最長20KMのLANを作り出すことができる。
更にIEEE802.5と大きく違うところは、二重リング型トポロジであるということ。
二重リング型は1つは予備として使わない。
使う方を、プライマリ・リング、予備の方はセカンダリ・リングという。
逆向きに信号が流れる。
これらのリングに接続されるのは、DASとSASだ。
※DAS(Dual Attachment Station)
※SAS(Singl attachment station)
DASは両方のリングに接続された機器のこと。
プライマリのinとout、セカンダリのinとoutの4つの接続点を有する機器。
この機器は障害を検知して、セカンダリの使用を決める監視役も務める。
DASはFDDIへの接続可能なデバイスのこと。
普通のコンピュータにも接続ができる。
コンセントレータは簡単にいうとハブのこと。
ハブの機能に一つである、メディアの集線をする装置という意味で使われる。
コンセントレータは、複数のSASと接続される。SASはプライマリ・リングとしか接続されない。
<<プライマリリングに何かあったら、繋がらなくなるの?>>
以下のように、コンセントレータが繋がっているポイントが直接障害が起きない限り大丈夫といえる。
FDDIの特徴は、まず二重リングによる高い信頼性。
これは、トークン・パッシング制御方法の、確実に届けることと組み合わさって、非常に高い信頼性を誇ることになる。
リングが切れても、もう一つで何とかなる。
そして、トークンパッシングだから、必ず送信できるし、相手に届いたどうかもわかる。
かつ、光ファイバの高データ転送速度。
文句なしと言いたいところだが、値段が高い。
光ファイバが高い上、DAS、コンセントレータなどの接続機器も高い。
なので普通のLANにはあまり使わない。
データ転送速度だけなら、ファストイーサネットや、ギガビットイーサネットもある。
イーサネット用のネットワーキングデバイスが衝突の発生を減らすこともできる。
<今日のポイント>
・IEEE802.5とFDDIはトークン・パッシング制御方式を使う
└トークンという制御データを使う
└衝突が発生しない
└宛先に届いたかどうかを確認できる
・IEEE802.5はリング・スター型トポロジで同軸かツイストペアを使う
・FDDIは二重リング型トポロジで、光ファイバを使う
参考URL
http://www5e.biglobe.ne.jp/%257eaji/3min/16.html
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レイヤ2:イーサネット拡張
イーサネットのおさらい。
イーサネットは、繋がっているすべてのノードへフレームを送りつけるブロードキャスト型で、CSMA/CDでアクセス制御している。
イーサネットの衝突の仕組み
⇒基本的に誰かが送信している間は、他の人は送信できない。
でも誰も使ってないなーと思って使い始めたときに、まだそのフレームが届いていないが誰も使っていないと思って送信を始めてしまう。
この場合、1本の銅線しかない同軸ケーブル上に2つの信号が交差するため衝突が発生する。
■半二重・全二重
イーサネットでは正常な通信時には、「自分は通信しか行っていない」。
受信できることはできるが、受信した場合はそれは、衝突が発生した場合。
更に、他の人が送信中である場合は、もちろん自分は受信のみ、送信は行えない。
※キャリア検知(CS)のため
つまり送信のみか、受信のみかどちらか一方しか各ノードは行えない。
イーサネットは半二重通信方式であるということ。
トランシーバーでの通信とよく似ている。
自分が話しているときは、相手の声が聞こえない。
相手が話しているときは、相手に自分の声が伝わらない。
同軸ケーブルを使用するイーサネットでは仕方がないが、効率が悪い。
ちなみにツイストペアケーブルや光ファイバであれば、効率よく通信を行うことが可能。
上の図のように、実はツイストペアケーブルの8本4組のうち、2本1組はこちらの送信側と相手の受信側。
別の2本1組はこちらの受信側と相手の送信側に接続される。
<残りの4本2組は?>
使われていない。将来的な発達余裕のようなもの。
この状態だと、相手の送信と自分の送信は同じ道を通らない。
つまり、ツイストペアならば衝突は発生しない。
このような、同時に送信・受信が可能な方式を全二重通信という。
リピータ・ハブを使った場合は、下記のようになる。
リピータのポートまでは送信・受信別々の組で接続されているのだが、リピータの内部は送信・受信で分かれていない。
そうなると...
結局は、リピータの内部で衝突が発生する。
※もちろんこれはハブでも同様
※リピータ:弱まったりノイズが入った信号を、増幅や整形してもとの信号と同じ強さ、同じ形にする
※ハブ:別名マルチポートリピータともいう。LANの中心点。メディアの接続地点として使われる。
スイッチなら内部で衝突がおきない仕組みをもっているので、全二重通信が可能になる。
■Fast Ethernet/Gigabit Ethernet
イーサネットは同軸ケーブル(10Mbps)を使用する。
理由としては、開発された段階で、同軸ケーブルが主流だったからそれが規格となった。
技術の進歩とともに、それに応じてIEEEも規格を拡張している。
まず、IEEE802.3に、ツイストペアや光ファイバを使用可能にした。
そうこうしているうちに、スピードの問題が発生した。
100Mbpsのケーブルの登場。
今でも使われている、10BASE-TX、カテゴリー5や光ファイバの100BASE-FX。
そこで、IEEEはIEEE802.3の拡張仕様を作成した。
ファストイーサネット。規格名で言えば、IEEE802.3u。
これの素晴らしいところは、下位互換であるところ。
つまり、今までのイーサネットの機器と併用して使えるということ。
イーサネットと同じフレーム形式、CSMA/CDを使用する。(※スピードは変わったけど、イーサネットは変わっていない)
例えば、ファストイーサネット仕様のNIC。でもケーブルは10BASE-T。
ケーブルは100BASE-TXだけど、ハブはイーサネット仕様。こういう形式の混在でも問題ない。
※もちろん100Mbosとしては使えない。
ファストイーサネットとイーサネットとの違い。
⇒同軸ケーブルが規格から外れたこと、それに応じてバス型物理トポロジが使えなくなり、スター型のみになったこと。
▼ギガビットイーサネット
1000Mbpsなので、イーサネットの100倍。
これは2つの規格がある。
光ファイバを使う、IEEE802.3z.
ツイストペアを使う、IEEE802.3abの2つ。
<今日のポイント>
・イーサネットは半二重型方式である
・スイッチを利用すると、全二重通信が可能となる
・100Mbpsのファストイーサネット、1000MbpsのギガビットイーサネットもIEEEで標準化されている
・ファスト、ギガビット両方とも、イーサネットと下位互換性がある。
レイヤ2:イーサネット/IEEE802.3
http://www5e.biglobe.ne.jp/%257eaji/3min/14.html
今日は、イーサネットとIEEE802.3の話。
この2つはLANの規格。
※今更ながら、「LAN」とは、コンピュータや通信機器をケーブルや無線電波などで接続し、
相互にデータ通信できるようにしたネットワークのこと。
そして、イーサネットとIEEE802.3この2つはほぼ同一である。
まず、初めにイーサネットが存在した。
1970年代の末期にXeroxが開発。
1980年に、Xerox、intel、DECの3社が共同で企画をまとめた。
これを3社の頭文字をとって、DIX-Etherrnetと言う。
最初からIEEEの規格ではなかった。
DIX-Etherrnetが便利だったので、IEEEが標準化したものがIEEE802.3.
なので、最近はIEEE802.3も含めてイーサネットと呼ばれることが多い。
■イーサネットのフレーム構造
イーサネットは、LANの規格として、
同軸ケーブル(10Mbps)、CSMA/CDアクセス制御方式、バス型・スター型物理トポロジを使用する。
<<同時ケーブルは今は使わない方がいいのでは?>>
確かにそう。
しかし、イーサネット/IEEE802.3が作られた当初は同軸ケーブルが基本だった。
要するに過去の名残。
レイヤ2では「フレームを作成」する。
つまりカプセル化する。
レイヤ3で作成されたパケットをフレームにする。
イーサネットの場合、パケットに付け加えられる情報は以下の通りとなる。
青色のところは、フレームに包まれるパケットの部分。
それ以外のところがイーサネットでフレームを作るときに付け加えられる情報になる。
パケットが最小で46バイトだから、1フレーム全体で最小72バイト。
最大で1526バイトと考えることもできる。
しかし、プリアンブルは、「これはフレームですよ。プリアンブルが終わるとデータが始まります」という前触れの部分となる。
なのでプリアンブルの部分は計算に入れないで、最小64バイト、最大1518バイトと考えるのが普通。
次に、MACアドレスのあと、「タイプ」がある。ここまでがパケットの先頭につける情報。
そして、パケットの後ろにエラーチェック用のFCSをつけて、フレームが完成する。
▼IEEE802.3との違い
IEEE802.3ではタイプのところに「長さ/タイプ」が入る。
さらにパケットが最大1497バイトになり、減った3バイト分IEEE802.3で決められたLLC副層の情報が入る。
イーサネットとの違いはこれだけ。
■イーサネットの特徴
作られたイーサネットのフレームはNICを通してメディア上を流れる。
イーサネットでは、送信されたフレームは、メディアを通り、すべてのノードに到達する。
このような型をブロードキャスト型という。
※ブロードキャスト型:全員に送信するという意味。
問題は、誰かが送っている最中は他の人は送信できない。
同軸ケーブルは伝送路が1本しかないので、衝突が発生する。
※同軸ケーブルは銅線1本でベースバンド方式だから、信号が1つしかない
そのため、イーサネットでは「フレームを送る=メディアへアクセスする」時にCSMA/CDという制御をつかう。
これは、メディアへアクセスする際の3つの行動の頭文字をとったもの。
「自由に発言権がある会議」と考えるのが手っ取り早い。
まず、発言がある場合、他の人が発言していないかどうかを確かめる。
誰かが話していたら終わるのを待つ。
これがキャリア検知(CD)という。
誰かが話し終わったら、誰でも発言していい。
別に発言の順番などはない。
これが多重アクセス(MA)
発言したい人がたまたま同時に発言してしまった場合、つまり自分がしゃべりつつ、他人の声が聞こえた場合、一旦話すのを止め少し待つ。
これが衝突検出(CD)だ。
▼イーサネットの場合
1.送信準備
イーサネットフレームを作成。衝突カウンタを0にする。
※衝突カウントとは、衝突の回数を数えるもの
2.CSMA
キャリア信号を検知する。なければ一定時間待ったあと、送信開始。
※なぜ一定期間待つかというと、フレームを連続して送るノードがあった場合、そのノードが占有してしまうことになる。
なので、一定時間待って、他ノードが送信するチャンスを与える。(多重アクセス回避)
3.CD
送信途中に衝突したかどうかを検出。衝突していなければ、送信完了。
衝突していた場合、フレーム送信を一時中止し、JAM信号を送信。
4.バックオフ
衝突カウンタをプラス1。
衝突カウンタ16ならば、作成したフレームを破棄。送信中止。
16未満ならランダムな時間待機後、2に戻る。
■受信側の対応
送信時ほど複雑ではないが、受信側も制御を行う。
イーサネットはフレームが全員に届く。
誰かに送ったが、全員に届いてしまうのであれば宛先は不要なはず。
しかし、自分が読み込む必要のないデータをわざわざ読み込んで、「これは自分にはいらない」と判断するのは煩わしい。
なので、宛先は必要。
受信をした時点で、宛先MACアドレスと自分のMACアドレスを比較する。
自分宛でない場合は、その場で破棄する。
そうすれば、わざわざ自分宛でないフレームを処理する手間が省ける。
その後、エラーチェックを行い、正しいデータであることを確かめる。
エラーだったら、破棄する。
それが終わったら、レイヤ3に引き渡し上位の処理を行う。
■ベストエフォート型配送
イーサネットはCSMA/CDというシンプルなアクセス制御を行う。
言葉にすれば、「誰かが通信しているなら、待つ。誰もしていないのなら送信できる。もし誰かとぶつかったらもう1回。」
制御に特別な機器が必要ない。なので安価にネットワークが構築できる。
これがイーサネットが普及し、現在の主流になっている理由の一つだ。
しかし、シンプルさ故の欠点もある。
エラーフレームは問答無用で破棄してしまうところ。
もしかしたら、衝突以外のノイズなどでエラーになっていたかもしれない。
だが、送信した側は破棄されたかどうかわからない。
だからと言って、受け取った側がエラーだからと修正したりもしない。
このような通信をベストエフォート型配送という。
<今日のポイント>
・イーサネットとIEEE802.2はフレームの情報量が少し違う
・宛先MACアドレスと送信元MACアドレスをフレーム情報として付加する
・イーサネットは送ったフレームが全ノードに届くブロードキャスト型ネットワークである
・イーサネットはCSMA/CDアクセス制御方式を使用する
└キャリア信号があるかどうかチェックする(CS)
└なければ一定時間待ってから送信する(MA)
└衝突が発生したかどうかチェックする(CD)
└発生した場合、少し待ってから再送する(バックオフ)
・受信側は、宛先MACアドレスが自分宛かどうか確かめ、違うならフレームを破棄、自分宛なら上位レイヤに引き渡す
・イーサネットはベストエフォート型配送である
レイヤ2:レイヤアドレッシング
■アドレッシング
コンピュータは「0」と「1」だけで表す2進数を使う。
2進数はコンピュータの基本なので、必ず覚えること。
アドレッシング=address+ing
⇒アドレスの仕組みと、その割り振り方と考える。
▼アドレスとは何か?
⇒ネットワーク上で、デバイスを識別するための記号。
これを各デバイスにつけることで、誰にデータを送るかということを考えることができるようになる。
アドレッシングで重要なのは、各デバイスに「ユニーク」なアドレスを割り振ること。
※ユニーク=唯一の、独自の
ユニークの意味は、本来「一意の」という意味である。
つまり他に同じものがない、ということ。
少なくとも通信可能な範囲で同じアドレスを持つデバイスがあってはならない。
■2種類のアドレス
アドレスには2種類ある。
論理アドレスと物理アドレスだ。
この2種類のアドレスは両方使われる。
論理アドレスはレイヤ3の物理アドレスはレイヤ2の役割を持つ。
物理アドレスは、メディアに直接接続されている誰に届けるかを識別するために使う。
論理アドレスはどのネットワークの誰に届けるかを識別するためにある。
<どう違うのか?>
論理アドレスは、同じ共有メディアに接続されていない相手との通信に使用される。
簡単に言うと、違うLAN上にある相手との通信の場合。
<具体的な例>
太郎君がペンフレンドの花子さんに手紙を送る。
太郎君はA市に、花子さんはB市に住んでいるとする。
「B市○○町 花子様」と宛名に書く。これが論理アドレス。
太郎君はこの手紙を届けてもらうために、A市の郵便局へ渡す。
実際には必要ないが、渡すためには宛名が必要になる。
なので、「A市郵便局」という宛名を別のところに書く。
これが物理アドレス。
要するに、直接渡す相手の住所が、物理アドレスで、最終的な届け先が論理アドレス。ということ。
■MACアドレス(Media Access Control address)
具体的にはNICのROMに焼き付けられている。
つまり、NICが作られた段階で決定されている。各デバイスにはNICが取り付けられているから、これで識別している。
※アダプタアドレスのこと
■MACアドレスの構造
例えばMACアドレスはこのようになっている。
00-90-99-32-BA-FF
しかし、MACアドレスは12個の英数字の並びではない。
これはあくまで人間に分かりやすくしているだけ。
もちろんコンピュータなのでビットで表されている。
実際は、MACアドレスは48ビット。
要するに、0と1が48個並んでいる状態。
これを人間に分かりやすいように、16進数で12桁にしているだけ。
表記するときは、00-90-99-32-BA-FFのように、2桁ずつハイフンで区切る。
または4桁ずつドットで、0090.9932.BAFF、と区切るかどちらかだ。
00-90-99-32-BA-FF
00-90-99-32-BB-11
上記を見てもわかるように、8桁目まで同じになっている。
MACアドレス48ビットは、2つのコードを組み合わせたものである。
先頭の24ビット、つまり16進数だと6桁目までをベンダーコードと呼ぶ。
つまり制作メーカーのこと。
NICを作ったベンダの番号だ。IEEEが決定したコードになる。
だから上の2つのMACアドレスは途中まで同じになっている。
MACアドレスは、「どこのベンダが製作した、何番のNIC」ということになる。
■MACアドレスの欠点
MACアドレスにも欠点がある。
それは、アドレスと実際の機器の場所が無関係なところ。
MACアドレスは、NICを付けたパソコンの位置を示すわけではない。
誰?は識別できるが、何処?までは識別できない。
MACアドレスは、名前のようなもの。
山田一郎
山田家というベンダが作った、一郎君という意味しかない。
この人物を世界中から探そうとしても、どこにいるのかまで知ることはできない。
しかし、LAN(例えば町)の中であれば探すことは可能である。
WANでは探すことはできないということ。
<今日のポイント>
・「誰に届けるか」という情報のためにアドレスを使う
・アドレスは通信可能な範囲で、ユニークである必要がある
・物理アドレスとして、MACアドレスを使う
┗MACアドレスは48ビット、表記するときは16進数12桁
┗NICにつけられたアドレスである
┗先頭の24ビット(6桁)はベンダコード
┗後ろの24ビットはベンダがつけた識別番号
・MACアドレスは、実際の位置と無関係なので大規模では使いにくい