レイヤ3 クラスフルアドレッシング
http://www5e.biglobe.ne.jp/%257eaji/3min/22.html
■インターネットの管理者
復習
IPアドレスは、以下のような形になっている。
32ビットで4つのオクテットに分かれている。
その32ビットはネットワーク番号とホストの2つからなる。
順序もネットワーク、ホストの順番。
デバイスが所属するネットワーク番号と、そのネットワーク内でデバイスを識別する番号のこと。
ネットワーク番号は接続されているすべてのネットワークでユニークでなければならない。
論理アドレスは、ネットワーク管理者がつける。
つまり、すべてのネットワーク内でユニークになるように、アドレスを管理するネットワーク管理者が必要。
で、問題はインターネット。
あれは世界すべてのネットワークを統合化した、最大のネットワークだ。
もちろん、それぞれのネットワークはユニークなネットワーク番号を持たねばならない。
その管理団体を「ICANN」という。
ここで考えたポリシーに従って、実際に各ネットワークの要望に従って割り振るわけだ。
実際に割り振るのは、各地域、各国に存在するNIC(ネットワークインフォメーションセンター)が行う。
日本の場合、JPNIC。
■クラスフルアドレッシング
クラスとは、ネットワークの規模の分野だ。
NICは、ネットワークの要望にしたがって、IPアドレスを割り振るわけだがその時規模に応じてIPアドレスを割り振る。
このクラスによって、32ビットのうち何ビットがネットワーク番号かというのも決められる。
クラスAは最初の8ビット、つまり最初のオクテットがネットワーク番号で、残りがホスト番号だ。
クラスBは、16ビットと16ビット。
クラスCは24ビットと8ビットになる。
クラスDとクラスEは特別なアドレスで、商用には割り当てられない。
IPアドレスを要求するネットワークがあっても、このアドレスは使われない。
<どうやって区別するのか??>
最初のオクテットの先頭の何ビットかで判別する。
例えば、IPアドレス32ビットの先頭ビットと2ビット目が「10」ならばそれはクラスB。
この場合、クラスBの範囲は、
「10000000000000000000000000000000」~「10111111111111111111111111111111」
の
「128.0.0.0~191.255.255.255」
になる。
要するにIPアドレスを見れば、そのクラスがわかる。
ネットワーク番頭の部分のビットが少ないと、ホスト番号の部分のビット数が多くなる。
つまり、多くのホストを所有するネットワークになれる。
NICは大きい規模のネットワークにはAを、小さい規模にはCを割り振る。
このように、クラスに分けてIPアドレスを割り振る方式をフルクラスアドレッシングという。
■予約済みアドレス
特別な意味を持つため実際のホストに割り振ってはいけないアドレスがある。
ホスト番号のビットがすべて0になるアドレスと、ホスト番号のビットがすべて1のアドレスだ。
クラスCの「192.168.10」のネットワーク番号の場合、以下の二つのことだ。
それぞれ、ネットワークアドレス、ブロードキャストアドレスという。
ネットワークアドレスは、そのネットワーク自体を示す。
先ほどの例でいえば、「192.168.10」というネットワーク番号を与えられたネットワークそのもの。
これは、そのネットワークへの経路選択の際に使用する。
例えば、「192.168.10.1」へ運ぶときは「192.168.10.0」への経路を考えるということ。
他のネットワークからのパケット転送の際、いちいち「192.168.10」番ネットワークの1番宛などと考えるのは手間がかかる。
なので、192.168.10番へ届ける。
それから先は、192.168.10番ネットワークが考えればいい。
もう一つのブロードキャストアドレスは、そのネットワークすべてのホストを表す。
簡単にいえば、ネットワーク全体が受け取るためのアドレスだ。
実際にはありえないが、03-9999-9999と電話をすれば、東京中の電話が鳴るようなもの。
予約済みアドレスは他にもある。
これは、ICANNやNICが考えることだが、特定のネットワーク番号は割り振られない。
まずは、商用には使われないクラスDとクラスE。
そして、0番(0.0.0.0)ネットワーク、127番(127.0.0.0)ネットワークの2つだ。
クラスEとDは、マルチキャスト用と研究用。
さらに、255.255.255.255というすべてのネットワークに対するブロードキャストアドレス。
そして、プライベートアドレス。
255.255.255.255はすべてのホストを意味する。
<今日のポイント>
・インターネットで使用されるIPアドレスはICANNとNICが割り振る
・規模に応じた、フルクラスアドレッシングを行う
└先頭が0がクラスA。政府機関・大企業向け
└先頭が10がクラスB。中規模企業向け
└先頭が110がクラスC。小規模企業・プロバイダ向け
└先頭が1110がクラスD。マルチキャスト用
└先頭が1111がクラスE。研究用
・クラスによりネットワーク番号を示すビット数が違う
・ホスト番号の部分はそのネットワークの管理者が割り振る
・ホスト番号のビットがすべて0はネットワークアドレス
・ホスト番号のビットがすべて1はブロードキャストアドレス