レイヤ3 概要
レイヤ3 概要
■ネットワーク
ネットワークとは
⇒何かと何かが網目状に繋がっていて何かを運ぶこと
コンピュータネットワークでのネットワークとは
⇒コンピュータや各デバイスをメディアで相互接続した論理的なグループのこと
論理的なグループとは?
例えば、A市B区C町1番地2丁目3番という場所に住んでいるとする。
つまり、A市というネットワークが存在し、そのネットワークに所属していることになる。
つまりネットワークとは、パソコンが所属している場所ということになる。
レイヤ2はそのネットワーク内での相互通信の方法だった。
レイヤ3は、ネットワーク間の相互通信の方法になる。
このような相互通信したネットワークのことをインターネットワークという。
■インターネットワーク
今世界を繋いでいるインターネットは、世界中数百万個の小さなネットワークを繋いだインターネットワークだ。
では、なぜ小さなネットワークに分ける必要があるのか?
例
先ほどの住所の例でいうと、A市というネットワークの中に、さらに小さなB区というネットワークがあって、さらにC町というネットワークがある。
<世界は一つ、A市だけでいいのでは?>
小さな市ならいいが、大きな市だとより小さく分けないと大変。
なぜなら、いきなり番地とかになると、A市122365478番地とかになってしまう。
より、小さく分けることで、制御を簡単にする必要がある。
ネットワークの場合、トラフィックの制御のため。
トラフィック=交通量(アクセス量)
大きな単位で制御してしまうと、トラフィックは膨大な量になる。
なので、小さい単位で、外に出なくてもいいようなものを外に出さないという制御が必要。
MACアドレスの欠点
⇒アドレスと実際の機器の場所が無関係
つまり、アドレスを見ただけでは、実際の機器の場所がわからない。
そうなると、何処に誰がいるか、という管理が大変になる。
よって、レイヤ3の論理アドレスはその辺をカバーしている。
階層型アドレッシングという方式。
論理アドレスは、何処のという情報と誰という情報の大きく2つの情報から成り立っている。
ネットワーク1に属するAというPCの論理アドレスは、「1のA」
ネットワーク2に属するXというPCの論理アドレスは、「2のX」となる。
アドレスにどの場所の誰かという情報が両方入っている。
MACアドレスが持っている情報は
⇒作ったベンダと製造番号
つまり、MACアドレスは確かに世界中でユニークなアドレスだが、「誰?」しか分からない。
「何処の?」がない。
これがMACアドレスの欠点。
さらに論理アドレスは、より細かく分けることができる。
「ネットワーク1」内部の「ネットワークあ」内部の「ネットワーク¥」内部の「Z番」と複数のネットワーク情報を持つことができる。
論理アドレスを使うことにより、「何処の、誰」という宛先が明確になりインターネットワーク内でのデータの転送が可能になる。
そして、この論理アドレッシング、階層型の利点は経路探索がしやすいということ。
■経路選択
インターネットワークは複数のネットワークが接続されている。
となると、宛先を届けるために複数のネットワークを経由していく必要がある。
「あ」から「い」へデータ転送するには、「A」から「F」の6つのネットワーク、そして12本のリンクをたどっていくわけだ。
この通る道筋のことを経路という。
ここで論理アドレスが生きてくる。
例えば、「い」は「Yのい」なので、まず「ネットワークY」に運ぶ経路を考えればいい。
身近な例
電話番号は論理アドレスにような階層型の番号だ。
例えば、0123-45-67899の場合。
NTT局は、千歳市付近の局と接続する。
次は、市内局番が45だから、千歳市付近の45局だということが判明する。
で、千歳付近の45局の6789番の電話機と接続する。
これをネットワークに置き換えると、0123-45-6789というアドレスは、
「0123番ネットワーク(千歳市)」の「45番ネットワーク(45局」の「6789デバイス」となる。
結果、どうやって運ぶかもわかりやすい。
そして、どうやって運ぶかはというのを考えるのがルータ。
■ルータ
ルータは宛先への最適な経路を選択する能力を持つ。
宛先への距離、使用するメディアの転送速度、トラフィック量、信頼性などを考慮してよりよりルートを探し出すのだ。
ブリッジやスイッチよりも1段上のデバイス。
このように経路を探し出すことをルーティングという。
そして、ルータはデータを受け取ったポートから、探し出した最適な経路にしたがって、適切なポートから送り出す。
スイッチとよく似ているが、スイッチがMACアドレスに基づいてスイッチングを行うのに対して、ルータはレイヤ3の論理アドレスに基づいてスイッチングを行う。
インターネットワークでの通信、つまりネットワーク間の通信にはルータが必要。
逆説的にいうならば、ルータがなければネットワーク間の接続は不可能。
ルータはネットワークとネットワークを繋ぐ経路を探し出す。
つまりルータがないとその経路ができない。
ネットワークとネットワークがハブで接続されていたとしても、「ネットワークAの1」と「ネットワークBの2」は相互通信できない。
ネットワークとは、論理的なグループだ。
同じグループ以外からはルータを経由しないと相互通信できない。そういうルールとなっている。
<今日のポイント>
・ネットワーク間、インターネットワーク間での接続をレイヤ3は担当する
・膨大なトラフィックを制御するため、小さなネットワークに分ける必要がある
・レイヤ3は論理アドレスを使う
・論理アドレスは階層型アドレッシングで、どこの誰、という情報をもつ
・ルータがネットワーク間を接続する
・ルータは最適な経路を選択し、スイッチングを行う
・ルータがなければネットワーク間の接続は行えない