4つのアドレス
■データ転送に必要なもの
レイヤ3からのLANでのデータ転送においてのカプセル化について。
レイヤ4からセグメントが渡される
※使用プロトコルはIP、使用アーキテクチャはイーサネット。
↓
IPヘッダを付けて、パケットにする。
レイヤ2に渡して、イーサネットのヘッダとトレーラを付ける。
上の2つは、IPヘッダとイーサネットヘッダだが、これらの情報はすべてデータ転送に必要。
共通点は、「アドレス」。
つまり、データ転送には、送信元と宛先、それぞれのMACとIPの4つのアドレスが必要ということ。
■送信元MACアドレス
宛先IPアドレス、宛先MACアドレス、送信元IPアドレス、送信元MACアドレス。の4つはカプセル化に必要。
<どうやってアドレスを知るか?>
MACアドレスはNICを取り付けた段階で認識される。
自動的に自分のMACアドレスは分かっている。
■送信元IPアドレスの静的な決定
これは自動的には分からない。
MACアドレスは、ハードウェア(NIC)に付属してるものだからよいが、IPアドレスは誰かに割り振ってもらう必要がある。
もちろんその誰かは、ネットワーク管理者。
ネットワーク管理者に「あなたのパソコンのIPアドレスはこれですよ」と教えてもらう必要がある。
教えてもらったら手動で入力する。
ネットワーク管理者に言われたIPアドレスとサブネットマスクをそのまま打ち込む。
※間違ったらユニークでなくなる可能性があるから注意が必要
他のデバイスが入力されたアドレスと同じアドレスをすでに持っている場合、上のような警告メッセージが出る。
ただし、同じアドレスを持つデバイスが立ち上がってるときのみ。
「静的IPアドレス」とは?
⇒手動で入力されたアドレスという意味。
手動入力の場合、例えばそのデバイスを違うネットワークに移動させたらどうなるか?
もちろんネットワークが変わるので、ネットワーク番号が変わる。
なのでIPアドレスが変わるから、もう一度入力し直す。
そのように、ある意味固定的でこちらが変更しない限り変わらないので静的という。
静的なアドレスの欠点
それは、管理者に割り当てられたアドレスを間違って入力してしまうことがありうること。
そうなるとエラーが起きる。
さらに、静的なアドレスの割り振りは、デバイスの移動の際に問題が多発する。
IPアドレスをその度に入力しなおさなければならない。
■送信元IPアドレスの動的な決定
よって、ある程度の台数を管理するようなLANや、頻繁にデバイスの移動が起こるようなLANでは、動的なIPアドレスの割り当てが一般的だ。
静的なアドレスは固定的は手動入力に比べて、動的なアドレスは、流動的な自動入力となる。
ネットワークに接続された時点で、自動的にIPアドレスを取得する。
基本的には、IPアドレスを管理しているサーバに対して、「IPアドレスをください」といってもらう形になる。
それで、サーバから「このIPアドレスを使いなさい」と受け取って、自分自身に設定する。
<ちょっとまった!!>
データ転送には4つのアドレスが必要だったはず。
では、なぜIPアドレスを管理しているサーバに対して、「IPアドレスをください!」と言えるのか?
送信元アドレスも分からないのに!
確かに現状では、自分のIPアドレスがない=送信元アドレスがない。ということになる。
その状態で、IPアドレスを管理するサーバと通信をして、IPアドレスをもらうということは、一見矛盾しているように見える。
しかし、そこを何とかしてしまうのがネットワークの面白いところである。
この動的なIPアドレスの割り振りには、RARP、BOOTP、DHCPなどのプロトコルが使用される。
<今日のポイント>
・データ転送をする場合、宛先IPアドレス、宛先MACアドレス、送信元IPアドレス、送信元MACアドレスが必要
・送信元MACアドレス=自分のMACアドレスはNICを取り付けた段階で分かる
・送信元IPアドレス=自分のIPアドレスは、静的な割り当てと、動的な割り当てがある
・静的な割り当てはネットワーク管理者にIPアドレスを割り当てもらい、手動で入力する
・静的な割り当ては、大規模や移動の多いLANには向かない
・サーバと通信して、IPアドレスを割り当ててもらう方式を動的な割り当てという
・動的な割り当てには、RARP、BOOTP、DHCPなどがある