レイヤ2:レイヤアドレッシング
■アドレッシング
コンピュータは「0」と「1」だけで表す2進数を使う。
2進数はコンピュータの基本なので、必ず覚えること。
アドレッシング=address+ing
⇒アドレスの仕組みと、その割り振り方と考える。
▼アドレスとは何か?
⇒ネットワーク上で、デバイスを識別するための記号。
これを各デバイスにつけることで、誰にデータを送るかということを考えることができるようになる。
アドレッシングで重要なのは、各デバイスに「ユニーク」なアドレスを割り振ること。
※ユニーク=唯一の、独自の
ユニークの意味は、本来「一意の」という意味である。
つまり他に同じものがない、ということ。
少なくとも通信可能な範囲で同じアドレスを持つデバイスがあってはならない。
■2種類のアドレス
アドレスには2種類ある。
論理アドレスと物理アドレスだ。
この2種類のアドレスは両方使われる。
論理アドレスはレイヤ3の物理アドレスはレイヤ2の役割を持つ。
物理アドレスは、メディアに直接接続されている誰に届けるかを識別するために使う。
論理アドレスはどのネットワークの誰に届けるかを識別するためにある。
<どう違うのか?>
論理アドレスは、同じ共有メディアに接続されていない相手との通信に使用される。
簡単に言うと、違うLAN上にある相手との通信の場合。
<具体的な例>
太郎君がペンフレンドの花子さんに手紙を送る。
太郎君はA市に、花子さんはB市に住んでいるとする。
「B市○○町 花子様」と宛名に書く。これが論理アドレス。
太郎君はこの手紙を届けてもらうために、A市の郵便局へ渡す。
実際には必要ないが、渡すためには宛名が必要になる。
なので、「A市郵便局」という宛名を別のところに書く。
これが物理アドレス。
要するに、直接渡す相手の住所が、物理アドレスで、最終的な届け先が論理アドレス。ということ。
■MACアドレス(Media Access Control address)
具体的にはNICのROMに焼き付けられている。
つまり、NICが作られた段階で決定されている。各デバイスにはNICが取り付けられているから、これで識別している。
※アダプタアドレスのこと
■MACアドレスの構造
例えばMACアドレスはこのようになっている。
00-90-99-32-BA-FF
しかし、MACアドレスは12個の英数字の並びではない。
これはあくまで人間に分かりやすくしているだけ。
もちろんコンピュータなのでビットで表されている。
実際は、MACアドレスは48ビット。
要するに、0と1が48個並んでいる状態。
これを人間に分かりやすいように、16進数で12桁にしているだけ。
表記するときは、00-90-99-32-BA-FFのように、2桁ずつハイフンで区切る。
または4桁ずつドットで、0090.9932.BAFF、と区切るかどちらかだ。
00-90-99-32-BA-FF
00-90-99-32-BB-11
上記を見てもわかるように、8桁目まで同じになっている。
MACアドレス48ビットは、2つのコードを組み合わせたものである。
先頭の24ビット、つまり16進数だと6桁目までをベンダーコードと呼ぶ。
つまり制作メーカーのこと。
NICを作ったベンダの番号だ。IEEEが決定したコードになる。
だから上の2つのMACアドレスは途中まで同じになっている。
MACアドレスは、「どこのベンダが製作した、何番のNIC」ということになる。
■MACアドレスの欠点
MACアドレスにも欠点がある。
それは、アドレスと実際の機器の場所が無関係なところ。
MACアドレスは、NICを付けたパソコンの位置を示すわけではない。
誰?は識別できるが、何処?までは識別できない。
MACアドレスは、名前のようなもの。
山田一郎
山田家というベンダが作った、一郎君という意味しかない。
この人物を世界中から探そうとしても、どこにいるのかまで知ることはできない。
しかし、LAN(例えば町)の中であれば探すことは可能である。
WANでは探すことはできないということ。
<今日のポイント>
・「誰に届けるか」という情報のためにアドレスを使う
・アドレスは通信可能な範囲で、ユニークである必要がある
・物理アドレスとして、MACアドレスを使う
┗MACアドレスは48ビット、表記するときは16進数12桁
┗NICにつけられたアドレスである
┗先頭の24ビット(6桁)はベンダコード
┗後ろの24ビットはベンダがつけた識別番号
・MACアドレスは、実際の位置と無関係なので大規模では使いにくい