レイヤ2の概要
■レイヤ2の内容
レイヤ2の機能
⇒データの伝送制御。具体的に言うと、フレームの伝送制御。
※カプセル化してレイヤ2の制御情報を付け加えたデータのこと
詳しくはこちら
http://www5e.biglobe.ne.jp/%257eaji/3min/06.html
レイヤ1は、実際の電気信号、メディアの仕様、ビットの表記などを行うわけだがこれだけではどうにもならないことがある。
例えば、電気しんご・ビットだけでは、「誰に届ける」ということが分からない。
「アドレッシング」というものが必要。
※アドレッシング:デバイスを識別する、識別子を付けること。住所や名前を付けると覚えると簡単。
他にもレイヤ1は危機に依存しすぎていて、上のレイヤとの繋がりを作るのが難しい。
そこで、レイヤ2が登場する。
レイヤ2はレイヤ1の欠点を補い、上位レイヤとの繋がりをつくる。
これから説明をするのは、LANでのレイヤ2だ。
■LLC副層とMAC副層
現在、LAN規格でもっとも有力な規格組織といえば、IEEE。
IEEEはOSI参照モデルを以下のように解釈して、規格を作り出している。
IEEEのLAN仕様は、レイヤ2をさらに2つに分けている。
論理リンク制御副層(LLC)とメディアアクセス制御副層(MAC)の2つ。
<<OSI参照モデルを勝手に分けてもいいの?>>
OSI参照モデルはあくまで「モデル」。
実際の仕様を導くガイドライン、大筋でOSIに反していなければ問題はない。
LLC副層は、実際の機器に依存しない部分を取り決めている。
例えばエラー制御、上位サービスの指定など。
<<エラー制御ってレイヤ4の高信頼性でやるんじゃ....?>>
確かにエラー制御はレイヤ4の役割である。
しかし、ビットのチェックぐらいのエラーチェックはレイヤ2でも行う。
一番最低限のエラー制御ということだと覚えておくといい。
一方、MAC副層は、メディアへの接続を取り決める。
どのように、共有メディアでデータ送信をするのか、という点を決めている。
これには、メディア・アクセス制御などが使われる。
メディア・アクセス制御とは、どのように共有メディアにアクセスするかということ。
みながメディアを使うので、誰が送信を行うのかを制御する。
まとめると、
MAC層では、「どのように送るか」を決定し、LLC副層では、「どのように扱うか」が決まる。
■LANの仕様
実際のLANの仕様は、以下のように決められている。
レイヤをまたがっている部分がるが、実際のLANの機器はレイヤ1とレイヤ2の両方の機能を持ち合わせていることが多い。
なので、規格の方もレイヤ1、2双方を含んでいる。
LANの仕様には、4つあることが見て取れる。
イーサネット、IEEE802.3、IEEE802.5、FDDI
IEEE802.2
は802.3、802.5、FDDIの3つで使用されるLLC副層の規格。
イーサネットはこのIEEE802.2の部分も含んでいる。
なので実際に物理的なLANとして現れるのは、上記の4つ。
これらの4つは使用するネットワーキングメディア、メディア・アクセス制御方式、物理トポロジが異なる。
イーサネットを除く3つは、LLC副層の部分は共通だが、MAC副層で決められているメディア・アクセス制御がことなる。
更にレイヤ1で決められているネットワーキングメディアや物理トポロジも違う。
以下のように4つのLAN規格は異なる。
イーサネットとIEEE802.3はほぼ同一である。表の表に出てきてない部分が異なる。
IEEE802.3はLLC副層でIEEE802.2が使用されるが、イーサネットはLLC副層の役割を担う部分を独自で持っている。
その違い。
簡単にいうと、データにつける制御情報が少し異なる。
更に、イーサネットとIEEE802.3は相互互換している。
なので、ほぼ同一と考えてもよい。
■レイヤ2でのカプセル化
レイヤ2は、レイヤ3から渡されたパケットをフレームにする。
このカプセル化とLAN規格の話を組み合わせると以下のようになる。
副層ごとにも制御情報を付加していく。
各仕様によっては、MAC副層で付け加えられる制御情報が違うというのがポイント。
それにより、LLC副層より上のレイヤはメディアなどの物理的な仕様を意識する必要がない。
<ポイント>
・レイヤ2は、LLC副層とMAC副層に分かれる
・LLC副層は、機器に依存しない論理的な部分を決める
・MAC副層は、ネットワーキング・メディアとの接続を決める
・LAN規格として、LLC副層にはイーサネット、IEEE802.2がある
MAC副層には、イーサネット、IEEE802.3、IEEE802.5、FDDIがある